# ビルド設定
SSR プロジェクトの webpack 設定は、クライアント用のプロジェクトと似ています。 webpack の設定に慣れていなければ、 Vue CLI (opens new window) や Vue Loader の手動設定 (opens new window) のドキュメントに詳しい情報があります。
# クライアント用ビルドとの主な相違点
サーバサイドのコード用に webpack マニフェスト (opens new window) を作成する必要があります。これは、すべてのモジュールが出力されたバンドルにどのようにマッピングされるかを追跡するため、 webpack が保持している JSON ファイルです。
アプリケーションの依存関係を外部化 (opens new window) するべきです。これにより、サーバのビルドがずっと速くなり、バンドルしたファイルサイズも小さくなります。このとき、 webpack で処理する必要のある依存関係(
.css
や.vue
ファイルなど)を除外する必要があります。webpack の target (opens new window) を Node.js に変更する必要があります。これによって、 webpack は Node に適した方法で動的インポートを扱うことができ、また
vue-loader
に Vue コンポーネントをコンパイルするとき、サーバ向けのコードを出力するように指定できます。サーバエントリをビルドする際には、 SSR で動作することを示す環境変数を定義する必要があります。プロジェクトの
package.json
にいくつかscripts
を追加すると便利かもしれません:
"scripts": {
"build:client": "vue-cli-service build --dest dist/client",
"build:server": "SSR=1 vue-cli-service build --dest dist/server",
"build": "npm run build:client && npm run build:server",
}
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# 設定例
以下は Vue CLI プロジェクトに SSR を追加する vue.config.js
の例ですが、どのような webpack ビルドにも対応できます。
const { WebpackManifestPlugin } = require('webpack-manifest-plugin')
const nodeExternals = require('webpack-node-externals')
const webpack = require('webpack')
module.exports = {
chainWebpack: webpackConfig => {
// cache-loader の無効化が必要です。そうしないと、クライアントのビルドはサーバのビルドから
// キャッシュされたコンポーネントを使ってしまいます。
webpackConfig.module.rule('vue').uses.delete('cache-loader')
webpackConfig.module.rule('js').uses.delete('cache-loader')
webpackConfig.module.rule('ts').uses.delete('cache-loader')
webpackConfig.module.rule('tsx').uses.delete('cache-loader')
if (!process.env.SSR) {
// クライアント用エントリファイルの基点
webpackConfig
.entry('app')
.clear()
.add('./src/entry-client.js')
return
}
// サーバ用エントリファイルの基点
webpackConfig
.entry('app')
.clear()
.add('./src/entry-server.js')
// これにより webpack は Node に適した方法で動的インポートを扱うことができ、
// Vue コンポーネントをコンパイルするときに、
// サーバ向けのコードを発行するように 'vue-loader' に指示します。
webpackConfig.target('node')
// これは Node スタイルのエクスポートを使うようにサーバ用のバンドルに指示します。
webpackConfig.output.libraryTarget('commonjs2')
webpackConfig
.plugin('manifest')
.use(new WebpackManifestPlugin({ fileName: 'ssr-manifest.json' }))
// https://webpack.js.org/configuration/externals/#function
// https://github.com/liady/webpack-node-externals
// アプリケーションの依存関係を外部化します。
// これによりサーバでのビルドがずっと速くなり、バンドルしたファイルのサイズも小さくなります。
// webpack で処理する必要がある依存関係を外部化しないでください。
// また `global` を変更する依存を許可リスト化する必要があります(Polyfill など)
webpackConfig.externals(nodeExternals({ allowlist: /\.(css|vue)$/ }))
webpackConfig.optimization.splitChunks(false).minimize(false)
webpackConfig.plugins.delete('preload')
webpackConfig.plugins.delete('prefetch')
webpackConfig.plugins.delete('progress')
webpackConfig.plugins.delete('friendly-errors')
webpackConfig.plugin('limit').use(
new webpack.optimize.LimitChunkCountPlugin({
maxChunks: 1
})
)
}
}
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# Externals の注意点
externals
オプションでは、 CSS ファイルを許可リスト化していることに気づいてください。これは依存関係にあるファイルからインポートされた CSS は、 webpack によって処理されるべきだからです。もし webpack に依存する他の種類のファイル(*.vue
や *.sass
など)をインポートしているなら、同じように許可リストへ追加する必要があります。
runInNewContext: 'once'
や runInNewContext: true
を使っている場合、 global
を変更する Polyfill、例えば babel-polyfill
を許可リストに登録する必要があります。これは New Context モードを使っている場合に サーバ用のバンドル内のコードは独自の global
オブジェクト を持っているからです。サーバ上ではまったく必要ないため、 実際はクライアントのエントリでインポートするほうが簡単です。
# clientManifest
の生成
サーバ用のバンドルに加えて、クライアント用のビルドマニフェストも生成できます。クライアント用マニフェストとサーバ用バンドルによって、レンダラーは サーバとクライアント両方の ビルドの情報を持つことになります。これによりレンダリングされた HTML に preload / prefetch ディレクティブ (opens new window)、 <link>
、 <script>
タグを自動的に推測して注入することができます。
利点は 2 つあります:
生成されたファイル名にハッシュがある場合、正しいアセットの URL を注入するため、
html-webpack-plugin
を置き換えることができます。webpack のオンデマンドなコード分割機能を活用したバンドルをレンダリングするときに、最適なチャンクがプリロード・プリフェッチされるようにします。また、必要な非同期チャンクに対しては賢く
<script>
タグを注入することで、クライアントでのウォーターフォールリクエストを回避し、 TTI (time-to-interactive) を向上させることができます。